「どうすれば苦しい状況であっても気持ちをコントロールできるのか――もっとも効果的なのは、悩みを溜め込まずに吐露することだと思います。」(撮影:本社写真部)
〈NHK『シブ5時』に登場〉修道士として、50万人の悩みに向き合ってきた鈴木秀子さん。悩みを受け止める側だからこそ、ご自身の心身の健康にも気を配っているそう。鈴木さんが明かす「機嫌よく」いられる秘訣とは(構成=丸山あかね 撮影=本社写真部)

心安らかに暮らせるのは自分次第

私は仕事柄、日々たくさんの相談を受けます。時には世間的に大成功をおさめている方からも。周囲から羨望の的になる人も、人知れず苦悩を抱えているのです。

しかも、程度の差こそあれ、私たちは死ぬまで不安や苦しみから逃れることができません。人はみな、いくつもの苦難を越えながら成長を遂げるように作られているのですから。悩みやつらい経験は、神様が私たちに与えてくださる成長のチャンス、人生の恵みなのです。

とはいえ、苦しいばかりではたまりませんね。でも大丈夫です。自分次第で心安らかに暮らすことができます。私は「苦しい時ほどあえて機嫌よくいるようにしましょう」と提唱しています。

不機嫌でいても現状が好転するわけではありません。そればかりか、誰かに八つ当たりをすれば喧嘩になるかもしれないし、自分を責めればうつ状態になってしまうかもしれません。つまり、原因とは別の苦しみに見舞われてしまうのです。

では、どうすれば苦しい状況であっても気持ちをコントロールできるのか――もっとも効果的なのは、悩みを溜め込まずに吐露することだと思います。

これは、意地の悪いお姑さんとの関係性に悩んでいた女性の話です。私は相談を受ける時には、傾聴に徹すると決めています。この時も黙って聴いていたところ、彼女はお姑さんからどんな嫌がらせを受けてきたかについてとうとうと私に話し続けました。