なかなか収束を見せない、新型コロナウイルスの感染拡大。足元で東京を含む10都道府県に対する緊急事態宣言の再延長が決まる中、移住希望地にも変化が見て取れるという。コロナをきっかけに、自ら2020年に東京都大田区から兵庫県淡路市に移住したジャーナリスト・澤田晃宏さんが高まる「東京脱出」熱を取材した。
コロナによって高まった移住への関心
移住者の主役が働く世代になり、その最大の懸念事項だった「就労の場」が、コロナ下のリモートワークの普及により、解決の兆しが見えてきた。それこそが、コロナ移住者を突き動かす移住熱の源泉なのだろう。
東京都の小池百合子知事は2020年3月25日、都庁で緊急会見を開き、不要不急の外出の自粛を要請した。4月7日には政府が7都府県を対象に、緊急事態宣言を発令。それを受け、東京・有楽町の駅前の東京交通会館8階にある「ふるさと回帰支援センター」も4月9日から6月1日までは臨時休館となった。
同センターは41道府県2市の相談窓口が設置(2020年10月1日時点)された、日本最大の移住支援の場であるが、セミナーなどのイベントは中止。電話とメールのみでの相談体制になった。
当然、前年と比べた全体の相談件数は減っているが、「三密」を避けたメールや電話での相談件数は増えている。ホームページの閲覧数も軒並み前年を上回った。「ふるさと回帰支援センター」の高橋公理事長はコロナによる移住への関心の高まりを、確かに感じている。