なぜ「敵か味方か」と判断してしまうのか

私自身もその傾向があったのですが、安心できない環境で育つと、相手を白黒で判断しやすくなります。人間関係が「敵か味方か」「好きかキライか」しかなくて、「ふつう」というエリアがほとんどない状態です。

味方と判断した相手には極端に甘えたり、部下であれば懐に入れてかわいがったりするけれど、相手のイヤなところ(自分の理想から外れるところ)がみえたとたんに大嫌いになったり、敵認定してしまう。

そういった場合に「自分の性格に問題がある」と思いがちなのですが、そうではありません。白黒の人間関係は生まれつきの性格ではなく、過酷な環境を生き抜くために後天的に学習せざるをえなかった「対処法」です。

いつ否定されたり、攻撃されたりするかわからない。そんな環境で育つのは戦場にいるようなもので、相手が敵か味方かはっきりしないと怖いのです。

敵か味方かはっきりさせないと「怖い」?(写真提供:写真AC)

「少しずつコミュニケーションをとって相手を知る」なんて余裕はなく、敵か味方かいち早く判断しないと危険。そんな白黒の人間関係は、まわりも大変だし、本人も苦しいです。