私は日頃から、「高齢者よ、町へ出よう」と提唱しています。なるべく人と交流し、張り合いをもって暮らすことが、認知症や歩行困難などの予防になると思うからです。社会に高齢者が生きる姿を可視化することが大切です。それが結果的に高齢者たちの医療費を減らし、高齢社会のために使われる財源を守ることにもなります。

でも外に出るには、安心・安全なトイレがあちこちにあることが不可欠。車椅子が入れるバリアフリーのトイレを完備している場所もありますが、それだけでは足りません。まずは公衆トイレの洋式化を進めていただき、せめてとりあえずの措置として、「すべての公共の場のトイレに手すりを」を合言葉にしていただきたいのです。

国連が2015年のサミットで採択した「持続可能な開発アジェンダ」。合言葉は「誰も置き去りにしない社会を」で、持続可能な開発目標SDGs(エスディージーズ)として、17の目標をあげています。

「ジェンダー平等」はもちろん入っていますし、そして6番目の目標は「水と衛生へのアクセス」。世界には、トイレや公衆便所など基本的な衛生サービスを利用できない人が約42億人いるとか。

その問題が先決には違いありませんが、私たち先進国においても、体力の衰えた高齢者が立ち上がれなくてトイレの個室に「置き去り」にされないよう配慮していただきたいと思います。