米ジョンズ・ホプキンス大学耳鼻咽喉科学の Frank R. Lin 氏らは、ボルティモア縦断加齢研究(BLSA)の中で認知症のない639例について平均11年以上にも渡る追跡をおこない、難聴による認知症発症へのリスクを調査・検討。その結果、軽度難聴例の認知症発症リスクは聴力正常例に比べて約2倍、高度難聴例は約5倍高いことがわかりました。

難聴が重くなり、脳への音情報の刺激が少なくなればなるほど、認知症のリスクが高まることが判明しました。難聴をケアする場合でも難聴度が軽い間にケアをしていくことが必要となります。

専門家も注目する「きこえのチェック」

自身のきこえの程度を手軽に把握するための簡易的なツールとして「きこえのチェック」というサイトがあり、無料で利用できます。難聴の早期発見の一助として、専門家にも注目されています。このツールできこえの低下の可能性を指摘された場合は、早めに専門医(耳鼻科)の受診をお勧めします。

【きこえのチェックサイト】

https://www.resound.com/ja-jp/online-hearing-test

〈監修〉
小川郁 慶応義塾大学名誉教授
新田清一 済生会宇都宮病院耳鼻咽喉科主任診療科長・聴覚センター長

*1:Dementia prevention, intervention, and care: 2020 report of the Lancet Commission, P413: The Lancet Commissions
*2:Dementia prevention, intervention, and care: 2020 report of the Lancet Commission, P428: The Lancet Commissions
*3:Dementia prevention, intervention, and care: 2020 report of the Lancet Commission, P418: The Lancet Commissions