101歳の長寿を全うした生活評論家、吉沢久子さんが日々の生活 のなかで見つけた「幸せに生きる方法」「暮らしのアイデア」「 簡単に作れるおいしい料理」は今の時代を生きる上でもヒントがい っぱい。エッセイ集『100歳の100の知恵』(中央公論新社) から吉沢さんの極意を1つずつ紹介します。
<100歳の100の知恵 21>
『見直したいさらし木綿』
「さらし木綿」といっても、最近はピンとこない人も多いかもしれません。「お寿司屋さんで寿司職人がまな板をきゅっと拭いている白い布」と言えば、あぁ、あれねと思う方もいるでしょう。
私は家事評論家という仕事上、実験のためにもさまざまなふきんを使ってきました。麻ふきん、二重のガーゼ、化学繊維のもの、メッシュのふきん……あれこれ試行錯誤した結果、一番しっくりきたのが、昔ながらのさらし木綿です。
さらし木綿とは、やや太い木綿の糸で粗く織った平織の布で、吸水性がよく、丈夫で洗濯にもよく耐えます。値段も安く、一反800円くらいから買えるはずです。幅は32~34センチが基準で、一反9〜10メートル。一反から約30センチ四方のふきんが約30枚とれます。
食器を拭くだけではなく、蒸し器にかけたり、玉ねぎのみじん切りなどをさらしたりするのにも使いますし、私はもみのりを作るときにも使います。魚料理のときなど、魚の水気をとるのにも便利です。