101歳の長寿を全うした生活評論家、吉沢久子さんが日々の生活のなかで見つけた「幸せに生きる方法」「暮らしのアイデア」「簡単に作れるおいしい料理」は今の時代を生きる上でもヒントがいっぱい。エッセイ集『100歳の100の知恵』(中央公論新社)から吉沢さんの極意を1つずつ紹介します。

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『見直したいさらし木綿』

「さらし木綿」といっても、最近はピンとこない人も多いかもしれません。「お寿司屋さんで寿司職人がまな板をきゅっと拭いている白い布」と言えば、あぁ、あれねと思う方もいるでしょう。

私は家事評論家という仕事上、実験のためにもさまざまなふきんを使ってきました。麻ふきん、二重のガーゼ、化学繊維のもの、メッシュのふきん……あれこれ試行錯誤した結果、一番しっくりきたのが、昔ながらのさらし木綿です。

ふきんも色々あるけれど…(イメージ写真提供:写真AC)

さらし木綿とは、やや太い木綿の糸で粗く織った平織の布で、吸水性がよく、丈夫で洗濯にもよく耐えます。値段も安く、一反800円くらいから買えるはずです。幅は32~34センチが基準で、一反9〜10メートル。一反から約30センチ四方のふきんが約30枚とれます。

食器を拭くだけではなく、蒸し器にかけたり、玉ねぎのみじん切りなどをさらしたりするのにも使いますし、私はもみのりを作るときにも使います。魚料理のときなど、魚の水気をとるのにも便利です。

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