101歳の長寿を全うした生活評論家、吉沢久子さんが日々の生活のなかで見つけた「幸せに生きる方法」「暮らしのアイデア」「簡単に作れるおいしい料理」は今の時代を生きる上でもヒントがいっぱい。エッセイ集『100歳の100の知恵』(中央公論新社)から吉沢さんの極意を1つずつ紹介します。

<100歳の100の知恵 18>

『氷出し緑茶をリキュールグラスに』

我が家では夏になると、緑茶の消費量がぐっと増えます。以前は麦茶か紅茶を冷やしたものをよく飲んでいましたが、氷出しの緑茶のおいしさを知ってから、がぜん緑茶派になったのです。急須のなかに玉露をたっぷり入れて、細かくくだいた氷を急須の口まで入れておくと、氷が溶けるに従い、甘みを含んだ香り高い美しい色の冷茶ができます。

氷出し緑茶(イメージ写真提供:写真AC)

この味を覚えてからというものの、夏は仕事机の上に急須を置いて、氷が溶ける頃あいを見計らって少しずつ飲むのが楽しみになりました。

お客様にお出しするときは、リキュールグラスに入れてちょっと気取ってみたりします。薄い緑色の冷たいお茶がグラスのまわりをぼうっと曇らせて、いかにも涼しげに見えますし、たった一口で飲めてしまうため、一杯のお茶が一瞬で消えてしまう宝物のような感じになります。

もっともいつも玉露では贅沢なので、煎茶で試したところ、これもまたおいしいのです。煎茶のときは、ふっくらした冷茶用のグラスを使っています。

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