「この仕事は一人でできるものではないと、あらためて思い知らされた1年でした。」
デビュー以来、数々のドラマや映画に出演し、シリアスからコメディまで幅広い役柄を演じてきた岡田将生さん。舞台への思い入れも強く、着実に経験を積んできた。この夏、約2年ぶりに生の舞台に挑む――(撮影=宅間國博 構成=上田恵子)

助けてくれたのはマネージャーや大切な俳優仲間

2019年、舞台『ハムレット』への出演を控えて高まる気持ちを、『婦人公論』でお話しさせていただきました。実は、上演直前に演出が変わったこともあり、かつて味わったことがないほどの緊張と不安を感じながら幕開けを迎えたんです。それだけに、無事に初日を終えられた瞬間、感極まって涙が込み上げてしまったことを覚えています。

プレッシャーのなか、僕を引っ張ってくれたのはカンパニーの皆さん。「失敗しても大丈夫。支えてやるからそのまま行け!」と背中を押されている気がして、仲間とひとつのものを作り上げるとはこういうことかと実感しました。

僕にとって20代最後となったその年は、NHK連続テレビ小説『なつぞら』の撮影も重なって、とにかく忙しかった印象があります。ひたすらNHKと舞台の稽古場を往復する日々が終わると、また別の舞台への出演、海外での映画撮影……。頭がパンクしそうな状況で、よく台詞を覚えられたなあと、今になって思います。(笑)

そんな充実した年から一転。コロナ禍となった昨年は、精神的に落ち込むことが多くて――。その時、僕を助けてくれたのはマネージャーや大切な俳優仲間をはじめとした身近な人たち。この仕事は一人でできるものではないと、あらためて思い知らされた1年でした。