現在発売中の『婦人公論』7月13日号の表紙は女優の風吹ジュンさんです。明るい笑顔が印象的な風吹ジュンさん。後編は、老いを受け止めて生きることについて。発売中の『婦人公論』から記事を掲載します。(撮影=篠山紀信 構成=丸山あかね)
若い頃に戻してあげると言われても辞退します
私は芙美((映画『Arc アーク』で風吹さんが演じる女性)と同じナチュラル派。若い頃に戻してあげると言われても辞退します。昔は昔、今は今。若い頃は誰だってピチピチしているし、自慢したくなるようなエピソードだってあるかもしれないけれど、「あの頃はよかった」なんて回顧している場合じゃない。だってまだまだ先は長いのだもの。100歳まで生きるとしたら、30年もあります。
せっかく生きるのだから、常に自分をアップデートしながら軽やかに歩んでいきたいのです。どういうわけだか人というのは、嬉しい出来事より、不愉快な出来事のほうをしっかりと心に刻んでしまいがちですが、それこそが身軽に生きられない原因なのではないでしょうか。
悔しいとか、哀しいとか、みじめだとかいったネガティブな思いは速やかに手放すこと。簡単ではありませんが、私はどんなに理不尽だと感じる出来事であっても、すべて自分のせいだと割り切ることにしています。誰かのせいにし始めたら最後、心の迷路から抜けられなくなってしまう。どう考えたって、迷路をグルグルしている暇はないでしょう? 身軽になって風に吹かれるままに生きていくのが理想です。