『婦人公論』7月13日号の表紙に登場した風吹ジュンさん

副作用で怒りの抑制が利かなくなった時

ところが昨年の12月、突発性難聴に見舞われてステロイド薬を服用したら、明らかにその副作用で怒りの抑制が利かなくなって、あの時は参ってしまいました。思ったことは言わないと気が済まないの。言いながら「なんでこんな言い方しかできないの?」って自分を責めているのに、相手の反応にまたキレてしまうのです。

知り合いに「こんな時、あなたならどうするの?」と訊いてみたら「募金をする」と(笑)。善行をして嫌な自分とのバランスをとるというわけです。なるほどね、一理あるなと思いました。

結局のところ、暴走する私の怒りはステロイドをやめたらスーッと収まりましたが、薬って怖いなと痛感しました。でも、それ以来、感情的に怒る人に対して「わかる、そういうこともあるよね」と、寄り添う気持ちが湧きましたし、忍耐力もついた気がするのです。なんでも経験ですね。

もちろん自分が人を傷つけるようなことはしたくありません。だから、人間関係の摩擦が起きた時には、「どうしてこの人はこういうことを言ったのかな?」「何がこんなにこの人を怒らせるのかな?」と分析します。完全に理解することはできなくても、「それならしょうがないか」と自分の心の落としどころをみつけることはできるので、あとは流すだけです。