「お口ポカン」癖があることで集中力や学習力低下も!?(イラスト提供:イラストAC)
口から発せられるにおいをきっかけに「鼻呼吸」の重要性を知り、対策を書籍やYoutubeで伝えている内科医の今井一彰先生。就寝時に口にテープを貼って鼻呼吸を促す「マウステーピング」健康法を提言していますが、口を閉じるのが大切なのは大人だけでなく子どもも同じ。しかし先生によれば、日常的に口を開いている「お口ポカン」の子どもは実に3割までのぼるそうで――。

成長期の子どもの「口ポカン」が及ぼす影響とは

新潟大学大学院などの研究グループが、全国小児歯科開業医会などの協力を得て行った「口唇閉鎖不全症(口ポカン)」についての調査結果がまとまり、2021年1月に国際学術雑誌に掲載されました。

調査結果によると、日本人の3歳から12歳までの3399人の子どものうち、3割が口ポカンの状態で、この割合は年齢とともに増えていったとのことです。

口ポカンのある子どものなかには、唇にしまりがない、鼻の詰まりや音をたてて食べる、などの特徴がみられ、口唇閉鎖不全症には口呼吸やアレルギー性鼻炎などが関連していることが示唆されたそうです(詳しくは新潟大学ホームページ。https://www.niigata-u.ac.jp/news/2021/83290/)。

成長期の子どもの口ポカンは、歯並びや発音に影響するだけでなく、授業中の集中力や学習能力の低下にもつながります。口唇閉鎖不全症は自然治癒することが難しいので、唇や舌の力を鍛えることが必要になります。