LINEのフレーズがどんどん親密に
ところが、やっぱりである。義母の墓の建立が終わった頃から「僕たちは相性がいいね」などと、親密さをアピールするようなLINEが続き、私は距離をおこうかと思い始めた。そしてついに「つきあってほしい」という内容が送られてきたのである。今の気軽な関係ではなく、その先に発展した男女の関係を彼は望んでいるのだ。
今までの関係を崩したくない。それが本音だ。私は迷いに迷った。だがこの申し出を断ると、彼は私から離れてしまうだろう。今となってはそれはとてもつらいことだった。男の人は親密になると、どうして一線を越えたがるのだろう。そして、なぜ恋人か他人かの二者択一にこだわるのか。占いの本を眺めては考え込む日々が続いた。
夫を亡くしてからは自分一人で決断することが増え、そのたびにとりあえずは進んでみるという前向きな姿勢を貫いている。そのやり方でいけば、関係性を変えてでも彼とつながっていく道を選んでもいいかもしれない。縁を切るのは、うまくいかなくなってからでも遅くないだろう。私は彼に賭けてみることにした。
結局おつきあいに移行して3年、Aさんとの関係は続いている。自分で決めたことだから、後悔はしていない。だが、あのままいい男友達として続けられたらそれだけでよかったのになと、時々思う。