夏の終わりのこの季節、さまざまな要因が重なった結果「スタミナ不足」になって疲れを感じやすい方が少なくないそう。疲労回復のためには、バランスよく栄養を摂取することが不可欠。管理栄養士の森由香子さんが対策をアドバイスします (構成=島田ゆかり イラスト=花くまゆうさく)

さまざまな要因でエネルギー不足、低栄養状態に

夏に疲れを感じるのは、いわゆる「スタミナ不足」の状態になっていることが多いから。エネルギーを体内で作り出すには、きちんとした食事が不可欠。必要な栄養素が揃った食事を摂ることではじめて、十分なエネルギーが生み出されるのです。

栄養が不足してしまう原因として、ひとつは暑さによる食欲の低下が考えられます。猛暑が続くと、食事を抜いたり、のどごしのよいそうめんだけで済ませたりする人も少なくないのではないでしょうか。また、最近流行っている糖質(炭水化物)を制限する食事もスタミナ不足の原因に。ごはんやパンなど、糖質を含む主食はエネルギーを作るために不可欠だからです。

夏は大量の汗をかきますが、汗を作り出す際にも体内でエネルギーをかなり消費します。汗の放出とともにミネラル分が流れ出るので、意識的に補給しましょう。

強い紫外線により体内で活性酸素が作り出されると、細胞が傷つき、体の機能が低下するので疲れを感じやすくなります。日焼けの後にはビタミンCを摂取するとよいと言われますが、これは活性酸素を減らす効果があるからです。

さらに、胃腸の働きは加齢とともに低下してくるので、『婦人公論』世代は栄養をしっかり吸収できていないことも。さまざまな要因が重なって、最もエネルギー不足、低栄養状態になりやすい季節が夏の終わりであると言えます。