ロンドン五輪で銀メダルを手にして
でも、ウィークリーマンションの部屋で練習してみると、一人じゃ何もできない。父にどれだけ支えられていたか痛感したんです。代表合宿が始まる1週間前に沖縄から帰宅したのですが、「ごめんなさい」も言わない娘を、父は黙って受け入れてくれました。
父は、あえて遠回りする必要性も教えてくれたんだと思います。私は父が言ったことと反対のことをやってしまうのですが、ものすごく遠回りしながら辿り着くのは、結局父が言っていたこと。その繰り返しでした。でも自分で痛い思いをしないとわからないので、遠回りして得るものはすごく大きい。父はそれを黙って見守ってくれていたんですね。
「自分で決めないと最後まで責任が持てない。練習メニューは作るけど、やるのはあなた。どうこなすかもあなた次第、だから考えてやりなさいよ」と、自分で考えることを常に求められていました。
北京以降はよくノートを見返していましたね。高校時代から練習内容や思ったことなどをノートに書いているのですが、アテネや北京と同じ過ちはしたくないので、それを何度も読み返しました。そのノートも今や、数十冊になっています。
ロンドンの銀は、そうやって手にしたものでした。表彰台は格別でしたよ。世界に3人しか上がれない舞台に私は立っているって。