「自分の勘を、なにより体の声を聞き、生活を仕切り直していくことは大切」(写真提供:村井さん)

自覚症状を真っ直ぐ受け止めること

そして今、思うこと。自分にとって一番大切なのは、自覚症状を真っ直ぐ受け止めることだ。家族のことも、それ以外でも、自分にとって大切なことはたくさんある。でも、そのすべてを失う危険を冒してまで、自分を犠牲にして何になるのだろう。結局、自分がこの世から消えてしまえば、すべてがお終いになってしまうのだから。それをわかっていながら、逃げ続けてはいけないのだ。

自分が大病をして、とてもよくわかったことがある。人生は、いつ何時終わるのかわからないということだ。今さらだと思われるかもしれない。でも、私たちは確実に、常にその現実とともに生きている。自分だけに起きないという保証はない。だからこそ、自分の勘を、なにより体の声を聞き、生活を仕切り直していくことは大切だ。もし怖くなってしまったら、恋人や親友に相談してみればいい。あるいは、私の失敗を思い出してほしい。

自分の健康に向き合うこと、それは自分の大切な人と1日でも長く暮らすことを約束してくれる。

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