なぜ自分の立ち位置に迷う一人っ子が多いのか

基準依存から抜け出すには、まず自分の立ち位置をできるだけ正確に知って、自己認識を高めることです。

たとえば、一人っ子の人は、兄弟がいる人に比べて自己認識が弱く、自分の立ち位置に迷う人が多いです。

兄弟がいれば、「姉がいて、僕がいて、弟がいる」というふうに、日々自分の家庭内でのポジションを意識します。年齢の近い兄弟だと、弟や妹というのは、無意識のうちに兄や姉を基準にして差別化をはかろうとすることがあります。

たとえば、姉が成績優秀だと、弟は勉強という同じ土俵を選ばずに、部活動に精を出すといったようなことです。けれど、一人っ子だとそこまで考えることがありません。

自分を理解するには「座標」の確認が大事(『「優しすぎて損ばかり」がなくなる感情脳の鍛え方』より)

ですから、自分のことがよくわからない人は、まず、従兄弟のなかの立ち位置、クラスでの立ち位置、チームでの立ち位置、職場での立ち位置など、さまざまな場所での自分の立ち位置を考えてみましょう。

自分の座標を知ることはとても重要です。自分の立ち位置を認識できていない人ほど、人の目が気になりやすいからです。

「私がこういうことをしたら、この人は私のことをこう見ちゃうんじゃないか」というふうに警戒して、自分を出せなくなることがないでしょうか。この場に合わせないと、誤解されたり、妙なレッテルを貼られるかもしれないと感じるから、自分らしく振る舞えなくなるのです。