今も月組の下級生達に受け継がれ
初舞台生から見るとトップスターさんは雲の上の人で、
話しかけることはかなりハードルの高い事柄でした。
天海さんはそれから何度となく声をかけてくれました。
気取らず、学年関係なく目線を合わせて話をしてくださる方でした。
こうやったらよりよくなるということを教えてくれたり、
自分が学んできたことを惜しみなく教えてくれる
私が一番刺激をうけたトップスターさんでした。
男役の手の作り方も天海さんから教わりました。
女性の手は男性に比べると厚みが薄い。
手は、男役として衣装を纏っていない素肌が出てしまう箇所になるから、
大きく強く見せる意識が必要だと。
厚みのある手を作るには、野球ボールを掴んだ時の手の空間を利用して作っていく。
常に手を意識することで、
そこに「何か」が生まれ、感情や温かさ、強さや繊細さの表現となる。
私の男役としてのベースはそこにあります。
その教えを受け継ぎ、今も月組の下級生達に受け継がれています。
組長になってから、何かの式典で天海さんにお会いしたことがありました。
「リュウちゃん」と話しかけてくださり、
あの頃の恥ずかしがり屋の私が蘇りました。
あの頃と違うのは、
あの頃より少し度胸がついたことと
出てきてすぐに死ぬ役も、今ならもっと存在感を出して
うまく死ねる自信があるということです。
※次回の配信は、12月15日(水)の予定です
●日本テレビ「news every.」の「every.特集」にナレーターとして出演中
●NHK文化センター講座 「越乃リュウと歌うタカラヅカソング」11月27日 (土)町田教室
●新潟丸屋本店さんとのコラボレーション商品をRyu Koshino公式オンラインショップで発売中
https://ryu-koshino.square.site/