「感覚スペース」とは何か

また、なぜだか、昨日は周りのことが気にならなかったけれど、今日は気になって仕方ないということもあります。私が多くの人に接しているなかで、こうした現象は「感覚スペースの変動」に起因しているケースがあります。

「感覚スペースって何? パーソナルスペースと違うの?」と思った人もいるかもしれません。

パーソナルスペースは、当事者から見て「ここより近くには他人には入ってきてほしくない距離」です。「感覚スペース」は、当事者から見て「ここまで近づいてきたら認識できる距離」です。

たとえば、スーパーのレジで並んでいると、隣のレジの店員さんが「こちらで会計できますよ」と声をかけてくれる場合があります。

一方、長く列ができていても目の前のお客さんだけ対応して、一向に周囲の様子を気にかけない店員さんもいます。これは、気にかけないというより、感覚スペースが狭く、意識できる空間が狭いことが少なくありません。

また、遠くから話しかけられても、聞こえてはいるけれど頭に入らないということがあります。近くまで寄ってきて話してくれないと、認識できなのです。