まさかの肺がん手術、2回

2017年と2019年。まさかの肺がん診断と手術。
初期だったものの、人生を振り返るきっかけになった。

その中で手放そうと思ったものの一つが「怒り」だった。
自分は弱いと思っていたので相手の気持ちを汲める余裕などなかったが、どれほど不快な思いをさせてきただろうか。それはわたしに返ってくるだろう。
 

本連載がまとまった青木さやかさんの著書『母』が5月10日に発売されました

ともかく、わたしは、もはや怒りのパワーでは元気にはなれない。

そうはいっても、喜怒哀楽の中で、わたしは「怒」に一番お世話になってきた。
笑いだって、コミュニケーションだって、一番楽に表現できるのが「怒」であった。
わたしを支えてくれた大切な友達「怒」の感情と表現。

「わたしですねえ」

尊敬する歳上の友人に発表することにした。