謝りながら、失いながら、進む

「怒りと、さよならしようかなと思いまして」
「はい」

「でもですね、むちゃくちゃ怖いんですよ」
「なんで」

「わたしがわたしでなくなるみたいで」
「うん」

「怒らないわたしなんて、価値ないでしょ！と思って」
「うん」

初登場！青木さんの愛犬・おっぽちゃん
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「素直に伝える、なんて、そんなことが果たしてわたしにできるのでしょうか！」
「怒っていたのなら、優しくなればいいですよ」

「はあ」
「やってみたらいいです。行動あるのみ」

「やってみますかね」
「後悔のないように、毎日を」

「はい、ですね。やってみますかね」

いま3年目。
まだまだ仲良しとは言いがたい「喜」や、「楽」を少しずつ取り入れながら、
そして親しい人に未だ素直になりきれず傷つくたびに「怒」の残りかすを出しながら、謝りながら、失いながら、少しずつだけど前に進んでいる。

諦めたら試合終了。
ってことで、頑張ろう。

何かにおびえて伏せるクティ
青木さんの連載「47歳、おんな、今日のところは「●●」として」一覧
 

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青木さやかさん自身が朗読して作成した単行本『母』のオーディオブックが配信開始されました。https://www.audible.co.jp/pd/B097T243BN