報道の数か月前から怪しさを感じていた

ハッキリとは覚えていませんが、私が夫の行動に怪しさを感じたのは報道が出る数ヵ月前からだったと思います。過去の経験則から、この段階で私はもう浮気を疑っていました。

『別れない理由』（著：原田愛／講談社）
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２回目の浮気が判明したときまでのことを振り返り、こそこそ証拠を探すのはやめようと決めていました。なので、怪しいなと思い始めた時に、正面切って「スマホ見せて」と言ったんです。そしたらあっさり「いいよ」って渡してくれて。

「パパの場合、すぐに見せてくれるって、逆に怪しいかも」と思いながら見たら……。ＬＩＮＥのトーク履歴にアイコンは残っているのに、そのメッセージ内容が寂しいことになっていて。仕事関係者とのメッセージは多少残ってはいましたが、あとは綺麗さっぱり消えている人もいて。見られてまずいことがあるとしか思えませんでした。

でもそういうことをしていると、自分がどんどんブスになっていくような気持ちになるんです。時間も無駄だし。

かといって、疑惑をそのままにはできないし。過去２回の浮気をその都度乗り越えてきたと思ってはいましたが、やっぱり一度根付いた不信感はどんなに月日が流れても消えないんです。これから自分はどうしていくべきか。そこからは１人で悶々と悩む日々でした。

そして私は「何もしない」という結論に達しました。過去の経験もあったし、自分から証拠を探すのはやめようって決めたんです。

見つからなければそれでまた平穏な日常に戻るんじゃないかって。それに、夫は構われすぎるのが嫌いな人だから、放っておくことも大切なんじゃないかなって。私も放っておいたほうが、楽は楽ですからね。

……なんて考えているうち、放っておきすぎたのかもしれません。