「週刊文春ですけど……」
あとになって、このひと言がこんなに世間さまに浸透するなんて思ってもみませんでした。なんだかセリフだけが独り歩きしちゃってて、面白おかしく聞こえますが、実際はお通夜みたいな雰囲気でした。もう怒りを超えて、鼻で笑っちゃうしかないような状況だったので、これが「笑ってはいけない〜」だったら、本当のアウトは私のほうかもしれません。
そこからは早かったです。私は話を聞き返すことも、ましてや問い詰めることもしません。荷物だけをまとめてもらって、原田家からご退場願いました。彼の何がすごいって、こういう時にちゃんと自分で荷物をまとめられるところ。地方ロケに行く時なんか、普段から自分で荷物を用意する人だったから、自然と体が動いたんでしょうね。
2分くらいでササッと準備して家を出た夫。あの、写真に撮られたランドクルーザーのエンジン音が聞こえて、私は「ようやく終わったんだ」と思いました。
あとで聞いた話ですが、あの日車で出掛けている最中にうしろから付いてくる車に気付いたんだそうです。それで「なんか怪しい」と思った夫は、結局ルミネには行かずに家に引き返すことに。車から降りて家に入ろうとしたら、「週刊文春ですけど……」と声を掛けられて家の前の公園へ。
何も自宅前の公園でインタビューしなくても……と私は思いましたが、夫はもう言い逃れできないと、そのまま応じたんだとか。
急に記者さんがやってきて、自分の恥部を晒す内容のインタビューを受け、動画まで撮られて。私への電話はその直後ということでしたが、それはパニックにもなりますよね。