「さださんも緊張はしてるのやろけど、そんなんしないような感じにするのがうまいのよね。」(鶴瓶さん)

気楽そうに見える番組って、ほんまは気楽じゃない

清水 落語家志望と聞いても、きっと違和感がなかったんだ(笑)。ただ、いくらさださんでも『今夜も生でさだまさし』は緊張しないんですか。生放送だし。

さだ 緊張します。特にハガキ選びがありますからね。かといって、読む順番を決めたらつまらなくなる。

鶴瓶 さださんも緊張はしてるのやろけど、そんなんしないような感じにするのがうまいのよね。

さだ 事前にハガキに目を通したら、「なるほどね」とか「面白い」とか「染みるね」とか枠をつくって、1枚1枚入れていくんです。準備はそれだけ。あとはその日の流れ次第で、ちょっと笑わしたほうがいいかな、土地の話を入れるかなって選ぶ。結局、半分近く残っちゃって、その残ったなかに面白いのがいっぱいあるんですよ。

鶴瓶 でも、その残すというのが大事やろうね。安心感にもなるし、自分の活力にもなる。

さだ そう。僕、ハガキを扱うのは好きですけど、NHKはコマーシャルがないでしょう。次のコーナーまでに選ぶ時間がないんですよ。生放送にこだわってるから、VTRを流すわけにもいかないし。

鶴瓶 気楽そうに見える番組って、ほんまは気楽じゃないと思うよ。『家族に乾杯』もそうだから。もともとはこちらがメインだけど。

さだ いやいや、特番のとき2人ではじめて。評判がよくてレギュラー化したいと言われたけど、ほら、僕は借金があるからレギュラーなんてやってられない(笑)。それで鶴瓶ちゃんがMCになった。