(写真提供◎青木さん 以下すべて)

 

青木さやかさんの好評連載「48歳、おんな、今日のところは『……』として」――。青木さんが、48歳の今だからこそ綴れるエッセイは、母との関係についてふれた「大嫌いだった母が遺した、手紙の中身」、ギャンブル依存の頃を赤裸々に告白した「パチンコがやめられない。借金がかさんだ日々」などが話題になりました。今回は「部屋を片付けた人として」です。

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こんな時こそ、片付けをして丁寧な生活を

気分が上がらず、食事もテキトーになり、会話もテキトーになり、服装もテキトーになり、化粧もテキトーになり、部屋は汚くなっていった。

こんな時こそ、片付けをして規則正しく丁寧な生活をすることがいいんですよ。

人生の先輩方はそう言うし、雑誌や本にも書かれている。わたし自身の経験からだって、片付けをしてガッカリしたことなんて一度もない。身も心も晴れ晴れとしたことしかないのだ。

ソファにうずくまるシティ

しかし、その元気もなく気も進まず、汚部屋のベッドで横たわりダラダラと携帯をいじり人生にきっと必要ないであろう情報を流し読みする。ネコがいるから埃や毛もすぐに床にたまる。間接照明にすれば埃も見えなくなるから丁度いい。

そういえばリビングの電球はところどころ切れている。観葉植物にお水が足りていない。DVDプレーヤーは数ヵ月前から壊れたままだし、ティッシュも空箱のまま放置。ベッドの横には読みかけの本が数冊。手をのばせばお菓子が置いてある。床には娘の学校のプリントが散乱している。何故かアルトリコーダーも落ちていて、ネコが娘の部屋から咥えてくる小さなぬいぐるみが点々としている。

こう部屋が汚れていると、美しい2匹のネコも汚れてみえてくるから不思議だ。