痛みと息苦しさで一睡もできない

ようやく健康診断の結果を聞きに行ったとき、腫瘍マーカーが結構な数値だと言われました。しかも肝臓の数値も悪い、もしかしたら骨に転移しているのではないか、と。話を聞いて急にドキドキしました。それが21年の4月のこと。

精密検査の結果、骨には転移していないことは判明したのですが、肺がんだと告知されました。そして1ヵ月半後、左肺の上部とリンパを9つ切除する手術を受けたのです。

肺は左側が上下2つ、右が3つに分かれていますが、私は左上にあるもっとも大きな肺(上葉)を切除しました。腫瘍は取りきれたけれど、麻酔から覚めたら想像を絶するほどの痛み。感染対策のため家族も病院に入れませんので、病室にひとりきりで耐えるのがつらくて。痛みを和らげるために入院を続けるより、自宅に帰らせてほしいと頼みました。

退院したものの、痛みと呼吸のつらさは24時間、ずっとです。傷口がバスト脇にあって胸の重みに引っ張られるから、身体を起こしていると痛い。でも、さらにつらいのはベッドに横たわる姿勢です。痛みと息苦しさで一睡もできない。日頃から強い鎮痛剤を服用しているせいか、病院で処方してもらった痛み止めも効いている気がしない。心身ともにカタストロフ(壊滅的)状態でした。