「この肺に吸い込める酸素量は、以前の10分の1ぐらいに感じます。でも切除した肺は再生しませんから、この状況に慣れていくしかないそうです。」(写真提供:広田さん)
2021年6月に肺がん手術を公表、回復の様子を綴るブログが話題になった映画監督、俳優の広田レオナさん。若い頃から病気の経験は豊富なだけに、向き合い方も心得はあったが、予想外の展開が待っていた(構成=丸山あかね 写真提供=広田さん)

コロナが勢いを増す時期と重なって

まさか、という感じでした。そして焦りましたね。もちろん、がんは誰にでもかかる可能性はあるわけですが……。

2021年の2月頃から体の痛みがありました。特に左股関節です。痛くて足を引きずって歩いていました。ちょうど、アクションシーンのあるドラマに出演が決まっていたので、まずは治しておかなければとストレッチに通ったりしても、まったく改善しません。

10代の頃、海外でバレエをしていましたが、腰を痛めてプリマであり続けることを断念した過去もあるので、その後遺症の一種で腰から来ているのかな、と思ったりもしました。加えて、前年に受けていた健康診断の結果も、新型コロナが勢いを増していく時期と重なって聞けずにいたので、それも気がかりで。