不登校、内申点ゼロの私が進学校へ
そして、進路を決める面談で、担任に予想外のことを言われた。
「あなたの成績だったらX高入れるよ」
この言葉が、私のその後の人生を大きく変えることになる。
X高は市内で一番の進学校だ。教室に入れていないし部活動も何もしていない。内申点ゼロの私が受かるのだろうか。
「え、私でもX高行けるんですね、ほんならそこ受けましょう」
どこか他人事のようなテンションで、X高の受験がきまった。
今思うと、中学の最初の時期を家で引きこもりとして過ごし、その後独学で勉強したような人が、よくX高を受験したなと思う。
結局私は合格し、支援センター出身者でX高に入った初めての生徒になった。
もちろん受験勉強は壮絶を極めたけれど、その話はまたの機会にでも。
3年間教室でまともに授業を受けておらず、集団生活もご無沙汰の私が、高校生活を送れるんだろうか。もし今度不登校になれば、義務教育じゃないのだから退学になってしまう。
しかし、入学するとそんな不安は吹き飛んだ。
というか、そんな不安を考える暇さえなかったのだ。
いきなり勉強合宿から始まった高校生活は、一瞬でも気を抜くと振り落とされるくらいに、豪速球で次から次へと課題が出された。
否応なしに生活は勉強一色になった。振り返れば、高校生活でまともに遊んだ記憶がないのである。
中学まで、校区で学校が決まるわけだが、高校は初めて受験して、いろんな校区から生徒がやってくる。中学とは、明らかに雰囲気が違った。
中学時代に体験したあからさまなスクールカースト。日常的ないじめ。移り変わるターゲット。嫌でも聞こえてくるのは陰口、悪口。
そんな世界が、高校に入ると一変した。