放課後は市立図書館でひたすら勉強の日々

そして、もう一つショックだったのが、部活に入れなかったこと。
ユニフォームや道具、合宿代などがかかるため、親が許してくれなかったのだ。
そこで、やることがなかったので、放課後は市立図書館でひたすら勉強した。

ちなみにアルバイトは禁止の学校で、何度か許可を求めたが認められなかった。
ど田舎でこっそりバイトをしたって、一瞬で見つかって退学だろう。

図書館の閉館後も、隣の市民ホールに移動して、遅いときは22時まで残って勉強した。

頭を酷使すると、猛烈にお腹が減る。
どうしてもお腹が減って仕方がない時、コンビニで70円払っておでんの大根を買った。

写真提供◎AC

 

店員さんは、律儀に「汁の量はどうされますか」と尋ねてくれるので、「多めでお願いします」と頼む。そして、無料でもらえる味噌を必ずとる。

おでんの汁に家から持ってきた冷え切ったおにぎりを入れると、米粒がほどけてやわらかくなる。そして味噌の甘みがなんとも食欲をそそる。それをゆっくりと味わって食べる。

さすがに小学生の時のように山に果実を獲りにいったり雑草を食べたりはできないので、それが私の定番のお腹の満たし方だった。

放課後勉強していたのは、単にやることがなかったから、というだけではない。

進学校あるあるかもしれないが、当然各中学のトップ層が来ているのだから、いままで何もしなくても上位にいれた人がここでは最下層に、なんてこともざらにある。

そしてもれなく自分もそうだった。

いくら普通より勉強ができるとはいえ、中学で授業を受けておらず大幅に遅れをとってしまっていた。

入学して最初のテストの結果、数学が200人中188位をとってしまった。正直こんな順位見たことがない。このままでは落ちこぼれまっしぐらだ。初めて勉強できない側に立って、内心焦りまくっていた。
課題がたくさん出るのはもちろん、授業は当然難しくなり、毎日予習復習しなければどんどんついていけなくなる。

毎週月曜日の朝にはテストがあった。
英文を暗記するものなのだが、赤点を獲ると英文を合計200回ノートに書き、さらに口頭試問で合格するまで居残りという鬼のようなしきたりがあった。

そのため、土日も勉強漬けだった。