不運の時も、感謝の心を忘れず

これまでの人生を振り返ってみると、不運な出来事にぶつかってもなんとか乗り越えてきました。

借金もそうだし、2018年には、愛する船が燃えてしまった。不幸を嘆きたい気持ちもありますが、なにより多くの人に迷惑をかけてしまったわけだから、いつもそのことをしっかり自覚してきました。マイナスを克服し、償うためには、前向きな気持ちで頑張るしかない。つらい思いをしたからこそ、いまがある。心底そう思っているんです。

「だっておまえ、いま生きているだろう? だったら、それをエンジョイして精いっぱい生きなきゃ」と、常に自分に言い聞かせています。自分に言い聞かせるって、すごく大切。次第に、その言葉が振る舞いに出るようになりますから。

いくら口でうまいこと言っても、心の中で違うことを考えていれば、やっぱりバレてしまう。思った以上に、人の心は相手には伝わってしまうものです。だから、真実ほど恐ろしいものはないし、真実ほど強いものはない。とにかく、正直に生きることが大事だと思います。

もうすぐ85歳、いままで続けてきたことをさらに継続していくことは難しくなってくると思いますが、95歳まではステージに立ちたいですね。未来を考えられることは、幸せなことだと思う。僕だけじゃありませんよ。何歳になっても、誰にでも、未来はある。夢や希望、好奇心こそが人を若くするんです。

つくづく思うのは、幸せを「幸せだ」と感じる心がなければ、幸福にはなれないということ。いま、生きていることに感謝し、大勢の人に支えられていることに感謝する気持ちを忘れなければ、人は絶対に幸せになれると思います。だから、僕の長年のモットーは《3カン王》。それは、「関心・感動・感謝」なんですよ。