意識朦朧で夫に送ったまさかのメッセージ

私は夫と田辺さんに「これから出産します」と連絡を入れました。

夫は何かを感じて起きていたらしく、「今から向かいます」と返事があり、田辺さんは深夜アニメを見て起きていたらしく「あら!  え!? パワー送るわ!!!」と返事がありました。

看護師さん「行けますか? 」

私「……はい!! あ、いや、ちょっと待ってください!! ……行けます!!」

その後、私は息子を出産しました。生まれた息子は体こそ小さかったのですが、とても元気に生まれてきてくれました。この時の気持ちは一生忘れないと思います。

駆けつけてくれた夫と感動を分かち合った後、私が落ち着いたのを見て、夫が「あのさ……」と携帯電話の画面を見せてきました。私が出産に入る前に意識が朦朧として夫に送ったLINEのメッセージでした。

夫「私にもしものことがあったら田辺さんをよろしくお願いします、って、どさくさに紛れてとんでもないものよろしくされたって思った。本当に無事でよかった」

私はこんな時に誰に何を頼んでるんだって思いました。

そして自分の話を書いていたつもりが、今回も結構田辺さんの話になってしまいました。

※本稿は、『酒寄さんのぼる塾日記』(ヨシモトブックス)の一部を再編集したものです。


酒寄さんのぼる塾日記 』(著:酒寄希望/ヨシモトブックス)

noteで連載中のエッセイ、待望の書籍化。「じつは、自分たちの面白さに気づいていない3人を知ってもらいたくて書きはじめた」と著者の言う通り、育休中のメンバーならではの絶妙な距離感によって、ぼる塾の魅力と楽しい日常が優しい言葉で描かれた一冊。書き下ろしはもちろん、メンバーのコーナーやぼる塾漫画などスペシャル企画も加わり、4人で楽しく作ったぼる塾の集大成!