書いても書いても、書き足りない手紙
わたしは大いに後悔しています。
いまや、クルマの運転席の上には母の写真が飾ってあり、いまは亡き母にその日あったことを報告しながら、ごめんねとありがとうを交互に言ってます。
あなたは、とても優しい子です。本当に、驚いてしまう。犬にも猫にも人にも優しくて。シティなんて、もはやママよりあなたの膝にのって眠るのが日課です。クティは、ママを踏みつけます。
感受性が強くて、人を思いやり、人を待てる。
もしかしたら、ママが仕事して、仕事じゃなくても余裕がないばかりに、あなたを実年齢よりも早くおとなにしてしまったのかもしれないと思ったりします。
書いても書いても、書き足りない手紙です。
そういえば、わたしの母も最後の手紙をわたし宛に書いてくれていたということを、いま思い出しました。
わたしときたら、まだ読んでいないことを思い出しました。
足らないわたしです。
友だちを大切にしてください。
愛しています。
ずっと。
ママより
※本稿は、『厄介なオンナ』(大和書房)の一部を再編集したものです。
『厄介なオンナ』(著:青木さやか/大和書房)
芸能界という世界の中で商品であるには、わたしはちょっと繊細すぎて、厄介であった。容姿いじり、飯島愛さんのこと、パニック症など珠玉のエッセイ。光浦靖子氏との対談「世間の目を気にして数十年生きてきました」収録。