平均的な専業主婦の家事労働の値段は年額276万円

1995年に開催された国連北京女性会議の要請を受けて、翌96年に経済企画庁(現・内閣府)が「あなたの家事労働の値段はいくらですか?」というレポートを出しました。

平均的な専業主婦の家事労働の値段を、年額276万円とはじきだしました。もちろん新生児がいるとか、手のかかるお年寄りの世話をしているとかの場合には、評価額はもっと上がるでしょう。

「今日、男性の平均年収は400万円台、妻にこれだけ(年額276万円)支払ったら、自分が食えなくなるでしょう」。(写真:本社写真部)

年額276万円で専業主婦をやりますか? 家庭の外に出て非正規労働者をやっているよりは、給料はいいかもしれません。でも、それって、誰が払えるのでしょう。この金額を、妻に支払える男がいると思いますか? 

今日、男性の平均年収は400万円台、妻にこれだけ支払ったら、自分が食えなくなるでしょう。それに夫が失業していても、妻の家事労働負担は変わりません。この対価の算定方法が適切かどうか、ということも問題です。

これに対して、家事はお金に代えられない神聖な愛の行為だと、主婦自身がいうだけではなく、それを持ち上げるオジサンたちも登場しました。「妻は家庭の共同経営者」とか「奥さまは大蔵大臣」だからもっと誇りを持て、と。よくある話ですが、そのほうが男性につごうがいいからですね。