「4人デート」に隠されていた意図

最初は驚くばかりでしたが、小野さんと左さんの止まらないさすがの話術に、笑いっぱなし!

加トちゃんもふたりの話を、目尻を下げながら聞き、大爆笑しています。デートだと思っていたので、ちょっとがっかりはしたけれど、ただただおもしろくて、初デートのときめきをすっかり忘れて楽しい時間に浸りました。

そんな《4人デート》は、半年間続きました。小野さんか左さん、どちらかが来られない日は「あれ? 今日は3人か……さみしいな」と思うほどに、ふたりの存在がわたしのなかで大きくなっていました。

一度だけ、加トちゃんの話をしていた親友も同席したことがあります。

「綾菜、すごいよ。毎回でしょ?」

解散したあと、親友はげっそりとした顔でそう言っていました。そっか。20代前半の大学生が、たとえスターだとしても70代の男性たちとおしゃべりをし続けるのはなかなか大変なことなんだ。わたしは楽しすぎて、そんなことすっかり忘れていましたけど(笑)。

一方で、この4人デート、男性陣には意図があったことをあとになって知りました。どうやら、「俺たちの大事な加藤を狙う、謎の女子大生」に対する本当の《面接》だったようで……。

初デートから半年後、水面下でふたりから《合格》の太鼓判をもらっていたそう。ただただ、一流の話術に聞き入っていただけなんですけどね。


※本稿は、「加藤茶・綾菜の夫婦日記『加トちゃんといっしょ』」(双葉社)の一部を再編集したものです。


加藤茶・綾菜の夫婦日記『加トちゃんといっしょ』」(著:加藤綾菜/双葉社)

結婚して10年間、毎日、夫婦日記をつけていたという妻・綾菜さんが、ふたりの日常や加藤家での生活を綴るマンガとエッセイに初挑戦! 『出会い』から、別れも考えた『壮絶バッシング』、これまで語られなかった『子どものこと』まで、赤裸々だけど、コミカルに、愛情たっぷりに描いています。初公開となる国民的コメディアンとの夫婦生活は、なんでもないけど、たくさん笑えて、いっぱい泣いて。ほっこりする毎日にきっとあなたも癒されます!