人がどう思うかではなく

同時期、ネイルサロンの友人が警察に被害届を出すと、バッシング主の一部の方が次々と判明しました。警察の方から、「みなさん、ごく普通の人たちで、〈暇だからやっていただけ〉と言っています」と聞かされました。

そのときわたしは、「そういう人もいるけれど、様々な視点から、その人なりの物差しでわたしのことを見ていて、なかには加トちゃんを本気で心配している人もいるのではないか」と、感じたのです。

だからこそ、この人たちを責めても、なにも解決しないのではないかと思うに至りました。

「人がどう思うかではなく、自分なりにどう誠実に生きるか、なのではないか?」

そう気づいたとき、思ったんです。決めたんです。これからは、自分の大切な人たちと、自分なりに楽しく生きていこう、と。泣くのではなく、笑おう、と。

このときを境に生きる気力を取り戻していけた気がします。加トちゃんと育んでいた《加藤家》の新しい扉を少しずつ開け、隙間から漏れる光を目指すようになりました。

 

※本稿は、「加藤茶・綾菜の夫婦日記『加トちゃんといっしょ』」(双葉社)の一部を再編集したものです。


加藤茶・綾菜の夫婦日記『加トちゃんといっしょ』」(著:加藤綾菜/双葉社)

結婚して10年間、毎日、夫婦日記をつけていたという妻・綾菜さんが、ふたりの日常や加藤家での生活を綴るマンガとエッセイに初挑戦! 『出会い』から、別れも考えた『壮絶バッシング』、これまで語られなかった『子どものこと』まで、赤裸々だけど、コミカルに、愛情たっぷりに描いています。初公開となる国民的コメディアンとの夫婦生活は、なんでもないけど、たくさん笑えて、いっぱい泣けるほっこりする毎日にきっとあなたも癒されます!