宝塚の、時の流れの速さ、美しさ
私は、たまきが演じた役の中で、
ロミオとジュリエットの「死」も好きでした。
彼女のスタイルと、大きく動ける身体能力。
稽古場からどんどん変わっていく姿を見て、本番がとても楽しみでした。
下級生だった彼女が、トップを務め、そして退団をする。
時の流れの速さに驚きますが、宝塚はそれがあるから美しいのでしょうね。
「男役10年」と言われる世界で、9年目での早期就任。
若くしてトップに立ったゆえの重圧やプレッシャー。
彼女が主演男役として舞台に立つことになった時、私はすでに退団しておりましたので
勝手に心配し、そして応援していました。
しかし、舞台を観に行くたびに見事に輝き続け、
公演ごとにいい男役になっていくたまきを見て、
勝手な心配はすぐに安心へと変わりました。
たまきのことだから、きっと口に出すことなく一人で抱え込んで頑張っているんだろうな、でも舞台上では本当にいい男役さんになったなぁ、と、もはや親心のような心境です。
たまきのとび切りの笑顔に熱くなり
先日、彼女の最後の公演を観せていただきました。
彼女の集大成にふさわしい素晴らしい脚本や演出、音楽や照明、
そして彼女が作り上げてきた「珠城りょう」の完成形を観せてもらいました。
身体から溢れ出るパッション。
お芝居もお役もピッタリでしたが、立ち回りや走る姿もたまらなくカッコいい!
これでもかと思う程、動いて走って踊って
その汗がまた美しくて。
完全にたまきに魅了されました。
コロナに翻弄されながら、ようやく上演できたこの公演。
それぞれにいろんな想いがあったことでしょう。
しかしそれを見事にエネルギーに変え、一丸となって素晴らしい舞台を観せてくれました。
そして、たまきが仲間を見た時の
「とびきりの笑顔!」に何度も胸が熱くなりました。
女性に戻った彼女と会えるのはいつでしょうか?
その時もきっととびきりの笑顔で、真っ直ぐなエネルギーを放って、少しハスキーボイスで、「リューさーん!」と手を振ってくれるのではないかと。
退団したからこそ改めてわかる宝塚の素晴らしさや仲間の大切さを、
いつかゆっくり話せる時を楽しみにしています。
これからの 彼女の素晴らしい未来を心より祈っています。
次回は 「嫌よ嫌よも好きのうち・1 宝塚との出会い」のお話です。
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Peatix
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