苦労をしたからこそ大きな楽がくる

これまでいろんなことをやってきたけど、ユーチューブの番組をやっていると、ひとつもムダがなかったなあとあらためて思うよ。実は、「欽ちゃん最後の夢物語」で実現しようとしているのは、自分が死んだ先の人生をいかに楽しく天国から見るかってことなの。それができる新しいお墓をつくることが一番の夢。

大学で学んで初めて知ったけれど、仏教ってあまり堅いことを言わない宗教なんです。同級生のお坊さんに、「誰も見たことがないようなお墓をあなたのお寺につくりたい」と相談しても、喜んで応えてくれたくらいだからね。

具体的には、亡くなった人が入っている場所ではなく、ずっと生き続ける場所に変えたいなあと思ってる。大きな墓石に名前をひとつ彫るのではなく、お寺に桜の木を植えて、そこに僕の知らない人でも誰でも一緒に入れるようにする。そして記念碑を立てて、ちょっとしたメッセージを刻んでおくの。桜の木や言葉なら、ずうっと生き続けるでしょ。

お墓参りも、手を合わせるのではなく明るく手を振ってほしい。100年後もたくさんの人が集う門前町みたいになったらいいよね。ユーチューブでみんなの意見を聞いたら近くに甘味処がほしいと言うので、すでに建設に入っています。ああ、こんなこと考えていると、死んでからの人生も楽しみになっちゃう。

年齢を重ねると、やっぱりしんどいことは増えてくる。でも、楽ばかりしていると、その後には小さい楽しかこない。苦労をしたからこそ、そのあとに大きな楽がくる。人生はそうやって転がるものだって、僕は身をもって学んできた。だからこれからも夢を持ち続けて、挑んでいきたいね。