落語って、便利だなと

先人たちの言葉はどれも若い小朝さんに寄せる大きな期待の上に成り立つ。それを深く心に刻んで折々の道しるべとした今の小朝師匠の存在がある。

――このごろピアノを習い始めました。篠笛のライブのときに、最後にじゃあ一曲、って、笛を置いて電子ピアノで弾き語りができたらちょっと格好いいんじゃないの、と思って。

それから中国の伝統芸能の「変面」も習おうかと思ってます。顔(お面)がクルクルクルッと、幾通りにも変わっていくという。それと「和妻(わづま)」ですね、日本手品。薄手の和紙を扇であおいで蝶々に見せたりする。まったく落語に役立たないものって、ないんじゃないかと思いますね。落語って、便利だなと思います。

 

今後どこまで進化し続けるのか、予想もつかない楽しみがある。次にびっくりさせられるのはいかなることだろうか。

――ええ、やってみたいことがあるんですよ。これ申し訳ないんですけど、まだ発表できないんです。今年の暮れに、ちょっと落語史上、初のことがあります。かなり画期的なことをやるので、それはお楽しみにしておいてくださいね、はい。

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