垣間見える「テレビっ子気質」
そこには、三谷幸喜が大の「テレビっ子」であったことが垣間見える。そういう視点から見ると、彼の作品には、同じく過去のテレビ番組に対するオマージュにあふれているものが多い。
シットコムに関してもそうである。
前述の『やっぱり猫が好き』もそうだが、いまだにファンのあいだで人気の高い『王様のレストラン』(フジテレビ系、1995年放送)も、レストランの店内のみで話が進んでいくシットコムである。
三谷自身、「僕は『奥さまは魔女』『アイラブルーシー』『じゃじゃ馬億万長者』といったシットコムで育った世代」(『WEBザテレビジョン』2020年9月18日付けインタビュー)と語っているように、そこには小さい頃に夢中で見たテレビ番組の記憶が息づいている。