「取組中猫だまし」の効果ゼロ

照ノ富士の13日目の対戦相手は大関・貴景勝だった。攻防の途中で二人の距離が離れ、直立の姿勢で見つめ合う、いや睨み合うことになった。その時、貴景勝は両手を目の前で叩く「猫だまし」をしてから取組を再開。結果は、寄り倒しで照ノ富士が勝った。

「猫だまし」は横綱・白鵬がやり、「横綱なのにやるな」と非難されたのは有名だが、それは立合いの時だ。貴景勝の「取組中猫だまし」は、勝負再開の気合いのつもりなら良いが、照ノ富士を攪乱するつもりだったのだろう。むなしい行いに終わった。

私は、4敗で優勝圏内に残っている大栄翔と35歳の佐田の海の存在が嬉しい。
大栄翔の気っ風の良い押し相撲は見ていて爽快で、体力の落ちている私にも気合いが入る。
佐田の海は、父親が元小結・佐田の海で、その活躍を覚えている人たちから二代目として注目されていたが、最近は地味になっていたので、今場所は表舞台に立ったのが嬉しい。

しかし、一抹の悲しみがある。平幕でも優勝争いに参戦できる原因を作った御嶽海、正代、貴景勝の3大関だ。後半戦は、誰が先に負け越すかという、見ていて「何とかしてくれ〰」と叫びたくなる暗い争いになっている。

13日目は5勝7敗同士の正代と御嶽海の対決。正代が寄り切りで負けて来場所はカド番と決まった。
14日目は6勝7敗同士の御嶽海と貴景勝の対戦。貴景勝が一気に前進して御嶽海を土俵から出し、御嶽海が負け越し、正代に続いて来場所カド番となった。
 

賜杯は誰の手に…