テレビ局でも泥の臭いがする
出版イベントでは同期の麒麟の川島と元アジアンの馬場園が出てくれました。二人ともノーギャラで出ると言う。なんでや。せっかく仕事ができるのにお金を誰も受け取らない。
イベントには、本を買ってくれたお客さんにプレゼントしようと夜なべして釘と折り紙で作ったしおりを持っていきました。誰が喜ぶねんこれ。俺も客も子供じゃないねん。
迷いながらも「しおり作ってきました」と書店の人に渡すと、急に告白された人のように笑顔を引きつらせておりました。
肉体労働のバイトの経験が、少しずつ芸人の仕事になっていきます。嬉しい反面、だからなんやねんとも思っていました。所詮バイトのことやん、芸人として出てへんやん。テレビ局でも泥の臭いがする。
僕のバイト経験がたくさんの人たちの力添えで芸人の仕事に繋がったのですが、どれもこれも工事現場に行かないと手に入らない仕事でした。
「年金」「少子化」どころではない。えげつないスピードで落ちていく矛盾をはらんだ負のスパイラル。