庭師にタレント、筋トレなど多彩な活動
庭師、そしてタレントとしても活躍中の村雨辰剛さん。2016年に芸能活動を開始し、『みんなで筋肉体操』(NHK)や『趣味の園芸』(NHK Eテレ)など、自身の知識や経験を活かした番組への出演で一躍有名に。さらに、2022年4月まで放送されていたNHK朝ドラ『カムカムエヴリバディ』で米軍将校、ロバート役を演じたことで、俳優としても名前を広めました。さらに、6月1日には本格自叙伝『村雨辰剛と申します。』が新潮社より発売。筋トレを始めたのはいつから? 本業は何? これからの夢は――など、村雨さんの魅力がつまったフォトエッセイです。
なぜスウェーデンから帰化し、日本人に、そして庭師になったのか。活躍の場を広げる村雨さんの魅力に注目が集まります。
村雨さんが初めて日本を訪れたのは16歳の時。高校の夏休みを使った3ヵ月のホームステイを経て、すぐにでも日本で働きたいと思ったそう。
その後、19歳で再来日。当初は名古屋でスウェーデン語や英語の語学教師をしていましたが、日本文化に関わりたいと、23歳で庭師の道へ。『婦人公論』2018年12月25日号掲載のインタビューで、日本庭園への思いを以下のように語っています。
都内には素晴らしい庭園が多いですね。僕も休みの日には、よく出かけています。今回撮影させていただいた六義園にも、何度か足を運びました。美しく手入れされていて、好きな庭園の一つです。僕が日本庭園に惹かれるのは、伝統を大事にするところや、日本ならではの物の見方や美意識──わび・さびや味──が表れるところ。石一つとっても、顔があり、置き方があります。それぞれの木にも適した切り方があって……とすべてに意味がある。ルールが決まっているのが好きな、僕の性格にぴったりでした。
庭師として働いていると、日本庭園を造る機会はほぼなく、むしろ解体に関わることの方が多いとのこと。昭和の時代、出世したサラリーマンが家を建てる際に日本庭園を造っていた時代は終わり、庭や木、灯篭などを取り外すばかり。そんな現状を悲しんでいた村雨さんは、築60年の日本家屋を借り、現在自宅として過ごしています。