野菜のおかげで家族は円満に

工藤 家庭菜園の達人としてアドバイスするなら、初心者の人はなにから始めると楽しいですかね。

杉浦 僕は全然達人じゃないけど(笑)、初めての人はハーブから始めると失敗がないんじゃないかな。ベランダでのプランター栽培でも簡単に育てられるし。鷹の爪や紫蘇も、わざわざ買いに行かなくて済むのは便利。

工藤 同じ野菜に見えても、品種によって上級者向きのものもあるから、最初に選ぶことも大事ですよね。たとえば大玉トマトは栽培が難しいけれど、ミニトマトなら育てやすい、とか。そして生き物を育てる感覚で扱うと、ちゃんと育つような気がします。

杉浦 実際、かわいくてペットみたいな感覚になるから、愛でてあげるのが一番! キノコのほかに育ててみたいものはあるの?

工藤 いずれお米もやりたいです。

杉浦 僕も田植えの経験くらいはあるけど、さすがに米作りをゼロからやったことはなくて。

工藤 雑草取りにも、手間がかかりますよね。

杉浦 じゃあ、合鴨農法とかは?

工藤 その合鴨も食べる。

杉浦 そこまでいけば完璧な循環が作れるよね。

工藤 実は父は鶏をさばけるので、合鴨もお願いできますね。(笑)

杉浦 お父さんが興味を持っている原木椎茸は、僕もいま一番やってみたいんだよね。菌打ちをしてから1年以上かかるし、手間はかかりそうだけど、それだけにできたときの感動も味わえそう。

工藤 今日、杉浦さんのお話を伺って、ご家族は幸せだなと感じました。

杉浦 『キッチンが走る!』をやらせてもらっていた頃はね、ロケで家を空けることが多くて、正直夫婦喧嘩も多かった(笑)。でも知り合った農家さんたちがおいしいものを送ってくださるし、始めた家庭菜園は家族とイベント感覚で楽しめるし。野菜のおかげでめちゃくちゃ夫婦円満になりました(笑)。これも、大きな収穫。

工藤 僕も将来子どもを持ったら、バンバン畑に連れていくつもりです。畑のそばで暮らしたいとも思っていて。次世代への食育をはじめ、夢や構想がいっぱいあります。

杉浦 工藤くんみたいな若い世代からの発信は、日本の農業にいい風を吹かせると思う。これからも応援してるよ!

工藤 ありがとうございます。杉浦さんもぜひ、畑に収穫にきてください。

農業について熱く語り合った、杉浦太陽さん(左)と工藤阿須加さん(右)