医師で、健康にまつわる本を多く手掛けている和田秀樹さんの著書『70歳が老化の分かれ道』。「一気に衰えるのか、若さを持続するのか、その分岐点は70歳にある」との主張がまとめられた同書は、2022年上半期「新書ノンフィクション」で第1位(日販、トーハン調べ)、部数も28万部を超えるなど、ベストセラーになっています。また和田さんは同書で「健康格差がますます広がっていく時代だからこそ、覚えておきたい重要な心がけがある」とも主張していて――。
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70代は老いと闘える最後のチャンス
長い老いの期間を健やかに過ごすためには、まず、脳の機能をいかに80代以降も保つかが重要です。あわせて、70代のときにもっている運動機能を、いかに長持ちさせるかということも大切になってきます。
カギとなるのが、70代の過ごし方です。
70代前半までであれば、認知症や要介護となっている人は、まだ1割もいません。けがをしたり、大病を患ったりしていなければ、中高年時代のように、たいていのことはできるはずです。
この人生終盤の活動期に努力して過ごすことで、身体も脳も、若さを保つことができますし、その後、要介護となる時期を遅らせることも可能になるのです。元気な80代へとソフトランディングしていくためには、とても大切な時期と言えます。