人とどう話をすればいいのかがわからなくなった
だからもう、なんにも感じない。「もうダメです。はい、丸腰です」みたいな。それが楽だったんです。
1クラスに30人いたんですけど、29人で学級を運営してもらうんです。僕はいないものと思ってもらう。いじめについては、言われるがまま、されるがままでしたね。
さっきも触れたように、その頃には身長もかなり高かったんですけど、とにかくなるべく目立たないようにしようと思って、余計に下を向いて過ごすようになりました。もともと猫背ではあったんですけど、より背中が丸くなりましたね。
作戦としては成功です。そんなふうにしていると、段々といじめてる人たちって飽きてくるんですよ。完全にいじめがなくなったわけではないんですけど、頻度は少なくなりましたし、それ以上エスカレートすることもありませんでした。
でも、そういう状態が続けば続くほど、人とどんなふうに話をすればいいのかがわからなくなりました。
少なくなったとはいえ、いじめはずっと続いていましたから。本当に先が見えない日々が続きました。いじめっ子たちのことは、とにかく怖かったですし。
※本稿は、『いま君のいる場所だけが、世界のすべてじゃない』(潮出版社)の一部を再編集したものです。
『いま君のいる場所だけが、世界のすべてじゃない』(著:副島淳/潮出版社)
バラエティー番組やドラマ、映画などで独特の存在感を発揮し、活躍している副島淳さん。そんな副島さんからは想像もできない、「いじめ」「差別」「家庭環境」など、これまでの山あり谷ありの人生を全編『本音全開』で語り尽くします。巻末には副島さんが「芸能界の姉」と慕う、タレント・LiLiCoさんとのスペシャルトークも収録。自分のことが好きになれない、自分に自信が持てない、自分らしさって何だろう──。そんな悩みを抱えるあなたの心に優しく寄り添ってくれる一冊です!