日本では「早寝早起き」という言葉が広がりすぎたせいで、逆に睡眠改善がうまくできてない実態もあるようで――(イラスト提供:イラスト AC)
「猛暑」「酷暑」と表現されるのが当たり前になりつつある日本の夏。2022年の今年も寝苦しい夜が続いています。一方、計120社、累計6万5000人の睡眠改善をサポートしてきたスリープコーチ・角谷リョウさんによると、一流のビジネスパーソンほど、日々ぐっすり深く寝て、その日のうちに心身の疲れをとり、日中のパフォーマンスを最大限に引き出しているとのこと。しかし日本では「早寝早起き」という言葉が広がりすぎたせいで、逆に睡眠改善がうまくできてない実態もあるようで――。

「早寝早起き」という言葉のせいで

私が睡眠について最初に学んだのが日本睡眠教育機構という団体です。

そこで睡眠改善の上級資格のための授業があり、先生が唐突に「『早寝早起き』という言葉をみなさんはどう思いますか?」と受講者に尋ねました。

その時の受講生の一人が「素晴らしい言葉だと思います。これを広げていくのが私たちだと思います」と、いかにも優等生らしい回答をしました。

受講者の全員がその回答を誉めてくれるのだろうと思った瞬間、先生は「『早寝早起き』という言葉のせいで日本人みんなが睡眠改善に失敗しているんですよ!」とかなり強い口調で言いました。