自分の気持ちをハッキリ自覚すること

まずは、自分と対峙して本心に気づくべきですね。夫への愛を自覚できれば、明るく笑顔で対応することもできるでしょう。仮に、夫のほうが少し冷めていたとしても、妻が自分に甘えてきたら、きっとまんざらでもないし、若かりし頃の愛を思い出すことだってなくはないのですから。

甘えると言っても、決して猫なで声で媚びましょうというのではありません。例えば、「結婚記念日にワインの一本も買ってこない気の利かない夫」が不満なら、「今日は結婚記念日よ。帰りにワインを買ってきてくれない?」と頼めばいいだけのこと。気の利かない夫というのは、たいてい面倒くさがりです。「断って揉めるのは面倒だな」と思い、頼まれたら素直に「いいよ」と従うでしょう。妻はくれぐれも命令口調で指図したり、買ってきたワインが思っていたものと違っても怒ったりしないこと。

妻が満足できる行動を夫が取れると思うのは幻想、できなくて当たり前と心得ましょう。次こそ納得できるものにするためには、「この人は丁寧に言わないとわからない」と学習し、銘柄を指定するなど、してほしいことをきちんと言葉にするのが甘え上手のコツです。

では、「もう愛なんてないし、離婚したいけれど経済的にムリだから、せめてケンカせずに暮らしたい」というケースはどうするか。こちらも自分の気持ちをハッキリ自覚することから始めましょう。「私はお金のために離婚はしない」と、声に出して自分を納得させるのがポイント。お金のためと思えば、家庭は職場、生活費はお給料だと割り切れます。職場は働きやすいほうがいいですから、雰囲気はよくしたほうがいい。そう思えば不満のある同僚(夫)にもニッコリと「おはよう」の挨拶ができるというものです。それに体調が悪いとき、「お水を買ってきて」と頼める相手がいるのはありがたいものですよ。

(イラスト◎大野舞)