80代となったみつはしさんは「老いたからといって、衰えに着目して人生をつまらないと思い始めてはいけない」とおっしゃいます(写真はイメージ。写真提供:Photo AC)
60年以上にわたり、国民的ロングセラー『小さな恋のものがたり』を描き続けてきた漫画家・みつはしちかこさん。同書は1976年にミリオンセラーとなり、77年に日本漫画家協会賞・優秀賞を受賞しました。ひとり暮らしを続けながら現役で漫画を描き続け、今年で81歳になったみつはしさんですが「老いたからといって、衰えに着目して人生をつまらないと思い始めてはいけない」とおっしゃいます。

ホントに80年も生きてきたのだろうか

私はホントに80年も生きてきたのだろうか? と不思議な気持ちになることがあります。

生年月日をみれば確かに生きてきたらしいのだけれど、「三つ子の魂百まで」ということわざのごとく、自分では中身はちっとも変わっていないと思うわけ。だから人と話していると、その人と出会った頃の自分、もっとも色濃く交流していた頃の自分の心に戻ってしまうのです。

振り返ってみると、いい思い出は私の宝ですね。いくら昔のことでも、ドキドキした時に思いっきりドキドキして、楽しかった時は思いっきり楽しく思い出しましょうよ。いい思い出は明日の力です。

でも家に帰って鏡を見ると……。白髪に薄毛、シワにタルミが! ここで一句。

「ひとすじの光となれり木の葉髪」。

失礼しました〜。