子に従ってみたら生きやすくなり、毎日が楽しくなる

みんな順番。そう思えば老いのコンプレックスを手放すことができるんじゃないかしら。

年をとらなければわからないことがあるのだと達観すれば、子ども世代の人達の「ちょっと心なく聞こえる言葉」にも耳を傾けることができるのではないでしょうか。心を柔らかくして、何事もフンワリとヤンワリと捉えることが大事だと思うのです。

息子から「オヤジ、もう年なんだから免許を返上しろよ!」なんて頭ごなしに言われて、「俺に指図するな!」なんてバトルを繰り広げている人の話も耳にしますが、「老いては子に従え」というのは真理なのです。

老いても子に従いたくはないなどと意地を張っていては損。従ってみたら生きやすくなり、毎日が楽しくなるんだわって、私は考えるようにしています。まー、子どもも年をとればわかるのですけどね。

※本稿は、『小さなひとり暮らしのものがたり』(興陽館)の一部を再編集したものです。

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漫画家・みつはしちかこ『小さな恋のものがたり』チッチとサリーの誕生から60年。「81歳の今も描くときは17歳、いつも〈片思い〉してます」

小さなひとり暮らしのものがたり』(著:みつはしちかこ/興陽館)

80年生きても、人生まだ片思い中。チッチとサリーの初恋を描き続けて60年。作者が打ち明ける、ひとり時間の楽しみかた。「人生後ろ向き。心のアルバムを開けば、明日を生きる力がわいてくる」国民的ロングセラー『小さな恋のものがたり』を描き続けてきた漫画家・みつはしちかこ。 ひとり暮らしで今も現役で描き続ける作者の、日常の楽しみと片思いの喜びをつづった、描きおろしエッセイ集。