【相談】介護中の友人にできること

同じ町内に住む友人は、義母の在宅介護を一手に担っています。疲労困憊した姿を見ると、何かしてあげたくて……。

どのように手を差し伸べるのがよいのでしょうか。

( 59歳・主婦)

 

【回答】アドバイスより、体を気づかい、見守るだけでいい(回答者・残間さん)

私も15年ほど母を介護しました。その経験も踏まえてお答えしますね。介護に関しては、具体的に何かを手伝うというのは難しいものです。家族の関係に立ち入ることになりますから。

それよりは、友だちの話を聞いてあげるのが一番。グチでも何でも、「大変だね」「偉いね」とねぎらいの言葉をかけながら、とにかく親身になって聞くことです。そのうえで「できることがあったら言ってね」と伝えましょう。もしかしたら、スーパーでの買い物など、日常の雑務を手伝うと、彼女も助かるかもしれません。

もう一つ、体を気遣ってあげてほしいですね。介護者は、自分の体は二の次で、不調があっても無理してしまいがち。実際体を壊す人も少なくありません。「顔色が悪いけど、大丈夫?」と気にかけて、具合が悪そうな時は「あなたが倒れたら共倒れになるよ」と病院への受診を促す。常に彼女の状態を見守ることも、同じ町内に住む友だちだからこそできることです。

一方で、「この施設を利用したらどうかしら?」といったアドバイスは、状況によっては反感をかう可能性もあるので、気をつけましょう。24時間態勢で母の介護をしていた頃、疲労困憊する私を見かねて、ある友人が施設を探してきてくれたことがあったのです。

友人は介護分野に精通している人だったので、その施設もすばらしいところでした。ところが、それを聞いた時、最初にわき起こった感情は「怒り」でした。思わず「なんで勝手にそんなことするの!」と友人に怒ってしまった。

自分の介護を否定されたような、倒れるまで頑張ろうと覚悟していたのをくじかれたような気持ちになって……。もちろん冷静になれば、私の体を心配して行動してくれたことはよくわかります。とかく介護をする人の心情は複雑なので、情報を求められたら教えてあげるくらいのスタンスでいましょう。

ご友人にとっては、自分の頑張りを見守り続けてくれるあなたがいるだけで励みになります。いずれ介護が終わった時には、「ほんとによくやった、頑張ったね」という言葉をかけてあげましょう。近くで見守っていたあなたの言葉だからこそ、相手の胸に響くはずです。

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