人間というのは所詮そんなものなのだなと
マスクから飛び出すほどの飛沫も気にせず、二人が至近距離で猛烈な勢いでしゃべり合ったことは容易に想像できます。どちらかが陽性なら確実に感染していたでしょう。
しかもその話し声を耳にした周辺のイタリア人たちも彼らのシートを取り囲むように集まってきたそうですから、そこで感染者のウイルスが媒介されれば機内クラスターだってあり得たはずです。
しかし、そんなことを気にしているふうな人は誰もいなかったそうですし、私にそれを語る旦那も意気揚々と楽し気で、何の後ろめたさもない様子でした。
人間というのは所詮そんなものなのだなとつくづく思いました。あれだけ用心していても、完璧にスマートに物事を成就できるほどの自己統制力をもった生き物ではないのです。